生理を自由自在にあやつる!
※ピル服用中の生理は「消退出血」といって通常の生理とはちょっと違うのですが、解りやすくするため説明上「生理」と表現しています。
※各項目の◎は避妊効果やメリット、×はリスクです。
ピルユーザーが生理を早める方法
実薬を短縮する
◎避妊効果キープ・予備錠ができて安心
×生理が飛ぶ可能性がある
低用量ピルは21+7=28日周期が基本になっていますが、実薬は最低14日飲めば休薬に入っても避妊効果に影響はないとされてます。
ということで、シート14日飲んだ翌日から休薬に入ってしまえば、予定より1週間早く生理がきますよね! 次の飲み始めはいつもどおり、休薬7日明けからでOK!
早めたいのが3日だけだったら3錠減らした18日目でストップしても構いませんが、それまで生理になっていた曜日や、新シートの飲み始め曜日が変わってしまうので、7日単位で変更するのが間違えなくて個人的にはオススメです。
余った錠剤は、また次の生理調整や、落としたり吐いたりしてしまった時の追加服用に使えます。うっかり新シート準備忘れの時も、とりあえず飲み始めの数日は代用できるので便利です。服用中のシートと混同しないように気をつけて、保管しておきましょう。
休薬を短縮して、次の生理を早める
◎効果キープ
×1周期前でないと間に合わない、出血が休薬前半の人向け
シート飲み始めを速くして、次の休薬を前にずらそうという方法です。
休薬7日のところ、出血が確認でき次第、新シートを服用開始します。出血が確認できないと、その後不正出血が起きる可能性が高まるので注意。いつも休薬2〜3日目に生理になる人向き。新シートの開始が4〜5日早まるので、当然飲み終わりも予定より早くなって生理も早まります。
ピルユーザーが生理を遅らせる方法[1]
低用量ピルのみで調整する方法
◎効果キープ
×不正出血が起きるかも?
予備の錠剤や新しい別のピルシートが必要です。いつものピルを21錠飲み終えても休薬に入らず、実薬を飲み継ぎます。そうするとまだピルを飲んでいる状態なので生理になりません。
生理になってもいい時期になったら服用を中止し休薬に入れば、その休薬中に生理になります。
これも7日単位がお勧め。服用期間が長くても、健康や避妊効果に問題はありません。2シート程度なら自己判断で連続服用しても大丈夫です。※治療併用の人、3シート以上の連続は、担当医にきちんと相談し指導を受けましょう。
内膜症治療では、症状改善のため3シート位連続服用する治療法がありますが、自己判断で休薬をとらないと破たん出血が起きやすくなりますし、あまり長く止めてしまうと無月経から戻れななることもあるようなので気をつけましょう。
ピルユーザーが生理を遅らせる方法[2]
中用量ピルを処方してもらって飲み継ぐ方法
◎効果持続、無駄がない
×受診が必要
休薬になる前に受診し、中用量ピルを延長したい日数分処方してもらいます。
いつもの低用量ピルを21日飲み終えたら翌日は休薬せずに、処方してもらった中用量を1日1錠ずつ、生理が来てもいい日まで続けます。これも休薬7日とって、あとはいつも通り新シートに入ります。
休薬を延長して次のシートに備える方法
◎ナシ強行手段しかないときに
×1周期前でないと間に合わない、避妊効果はなくなります!!要注意!
次のシートの飲み終わりが生理になってもいい頃になるよう、服用開始時期を調整します。休薬期間が8日以上になると排卵を抑えきるだけのピルがなくなってしまうので避妊効果は期待できませんので注意!さらに計算が面倒なうえ、排卵が起きて避妊効果が途切れるのでお勧めできません!
勧めたくないのに書くのは、構想する人がいるから。休薬を延ばして調整するくらいなら、実薬を増減させて調整したほうが安全確実ですよ!
ピルを飲んでいない人の調整
普段ピルを飲んでない人は、調整用のピルをもらうために、一度婦人科やレディースクリニックを受診しなくてはいけません。この場合、多くは中用量ピルで調整します。
注意★調整用でもピルを飲んだ日は避妊できると勘違いしてる人がいるようですが、一時的な服用では避妊できません。
ピルは毎日継続して飲むことにより、卵巣を休ませ排卵抑制し、避妊効果が得られるのです。
下記の解説はあくまで“月経コントロール目的の飲み方”なので“避妊効果”は期待しないでください。
避妊が必要であれば、この機会に低用量ピルの服用開始を検討しまでょう
ピル非服用者が生理を早める方法 ※推奨
普段飲んでいない人は生理を早めてしまったほうが、生理を避けたい旅行中などにピルを飲まなくて済むので、早めるほうがお勧めです。
できるだけ早い時期に受診しましょう。
1サイクル前の生理5日目から中用量ピルを服用し、10日ほどで飲みやめます。
医師と相談のうえ、生理初日から低用量ピルを飲み始め、14日服用し飲みやめても可能です。
そうすると、服用中止後数日で生理がきますので、予定の生理を早めることができます。
生理から少し遅れて受診しても、10日間程度ピルを服用すれば概ね生理を早めに起こすことは可能ですが、ができます。
医療機関によりますが、中用量ピルは必要な日数分のみの処方で済みます。低用量は1シートごとの販売になるので、必要なのは14日分でも28日分の処方になります。
ピル非服用者が生理を遅らせる方法
上記の方法で早める余裕がなくなってしまった場合は、生理を遅らせることもできます。
生理予定日より前、できるだけ早めの日から中用量ピルを1日1錠飲みます。飲み続けている間は生理が来ませんので、生理が来てもいい日まで飲み続ければ生理を先送りにできます。
一般的には「生理予定の5日前から服用開始」と言われていますが、たまたま生理延期に間に合わなかったり、ちょうど旅行中に吐き気が出てしまったりなど、実際はあまりお勧めできません。
生理が順調な女性でも、試験前や結婚式などのイベントを控えているときは生理不順になっていることもあります。5日前というのは、生理延長にできる最終リミットと考え、可能であればもっと早い時点で開始しておくことをお勧めします。
ピル非服用者の実例
例:夏休みの旅行、8/13〜20日。
海や温泉に入りたいので、8/15から始まる生理を避けたい
●8/10〜20日まで中用量ピルを飲んで、生理を延期する
本当にギリギリに決まった時などの最終手段です。
イベント準備で忙しくなったり、気持ちが高ぶったりして、予定日より生理が早まることもあり、5日前では調整が間に合わない事もありるからです。
また、旅行先にピルを持ってくるのを忘れたり、いつもと違うスケジュールで飲み忘れ&遅れてしまったりすれば、不正出血や生理が始まってしまうこともあるので、きちんと飲むよう注意が必要です。
●7/21〜8/3まで中用量ピルを飲む。
一般的には8/6あたりから生理になるので、旅行の8/13前には生理は終わってます。旅行中ピルを持っていく必要はないし、続けて生理になることも考えにくいので快適。
生理開始が遅れたりしても、旅行開始の頃は生理が終わりかけ程度で済むと思います。
※体調や体質には個人差があります。誰がやっても上記のとおりになるとは限りません。
最終判断は医師と相談し、納得できる方法をとりましょう。
調整後の注意
生理日調整したあと、次の生理は多少ずれる可能性もあります。異常ではないので心配しないでくださいね。^^
月経コントロールは、頻繁に行っても問題ありませんが、頻繁に調整する機会がある場合は、日常から低用量ピルを飲み、それで調整していくほうが手軽で確実にできます。ピルを避妊だけでなく月経コントロールのために飲んでいる人もいるくらいですから、仕事の忙しい女性や子供の行事やレジャーを一緒に楽しみたい育児中のママなどにもピルはお勧めです。
錠剤増減ではなく、“休薬移動”の発想
例えば「生理を3日遅らせたい」場合は「3錠追加」で調整はできます。「生理を5日間早めたい」時は、「21錠飲むところを5錠早めた16錠まで」で飲みやめればその分早く生理が来ます。生理は調整したい日数分増やしたり減らしたりすることで、簡単に生理の日を移動させることができます。
ただ、そうすると次のシートを飲むときどうしたらいいか、迷うことがあります。
そこで新たな発想を提案します。
飲み方はまったく変わらないのですが、ちょっと発想を変えただけでとても簡単&便利に調整ができるようになります♪
調整したい日数分錠剤を増やしたり減らしたりするという考え方ではなく、休薬期間をまるごと動かす、という考え方をしてみましょう。
例えば「生理を3日遅らせたい」場合は新シートを続けて3日服用し休薬、終わったら飲みかけシートの続きから開始します。「生理を5日間早めたい」時は休薬を5日前倒しにし、休薬後余った錠剤を消化、続けて新シート開始、とします。トリキュラーなどでホルモン量が気になる人は適宜前後させ調整してもかまいません。
7Daysルール
避妊効果をキープする際のピルの原則は、
実薬服用は 最短14日、 休薬は 最長7日です。
実薬を13日より短い服用で止めてしまうと、卵巣を充分に眠らせておくことができなくなります。
休薬も、8日以上ピルの成分が切れた状態でいると、それまで眠っていた卵巣が起きてしまい、排卵が起こります。
「避妊効果はいつから」の項目にあるとおり、ピルは7日間かけて卵巣を眠らせます。
1日飲み忘れたら即排卵!というわけではなく、やはり起きるまでにも7日間かかるわけです。
こういったピルの不思議な周期を7Daysルールといいます。
このルールを覚えておくと、飲み忘れた後の対応や月経コントロールのときに役立ちます。